あかるい職場応援団
厚生労働省

「パワハラ基本情報」データで見るパワハラ

職場のパワーハラスメントに関する各種調査等をまとめました。各調査の数字を見ていくことで、現在の職場のパワーハラスメントの動向が見えて来るのではないでしょうか。

1.増加するパワハラ

都道府県労働局等への相談件数

 

都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加し、平成24年度には相談内容の中でトップとなり、引き続き増加傾向にあります。

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精神障害の労災補償状況

 

職場でのひどい嫌がらせ、いじめ、暴行や職場内のトラブルにより、うつ病などの精神障害を発病し、労災補償を受けるケースがあります。また、上下関係対人関係による件数は年々増加しています。

  24年度 25年度 26年度 27年度 28年度
精神障害の労災補償の
支援決定件数全体

475件

436件

497件

472件

498件

  (ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた

55件

55件

69件

60件

74件

上司とのトラブルがあった

35件

17件

21件

21件

24件

同僚とのトラブルがあった

2件

3件

2件

2件

0件

部下とのトラブルがあった

4件

3件

0件

1件

1件

出典情報

■個別労働紛争解決制度実施状況
・発表者:厚生労働省
・集計対象:平成18年度から平成28年度分を集計。

■脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況
・発表者:厚生労働省
・集計対象:平成24年度から平成28年度分を集計。


2.企業における相談窓口の設置状況

相談窓口の設置状況

 

従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付けるための相談窓口を設置している企業は全体の73.4%ありますが、従業員1,000人以上の企業では98.0%とほとんどの企業で相談窓口を設置しているのに対して、従業員99人以下の企業では44.0%と低い水準にとどまっています。

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相談の多いテーマ

 

社内に設置した相談窓口で相談の多いテーマとして、パワーハラスメントがもっとも相談が多くなっています。

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3.パワハラはどの程度発生しているのか

パワーハラスメントについての経験の有無

 

調査実施時(平成28年)の過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した者は回答者全体の32.5%、パワーハラスメントを見たり、相談を受けたことがあると回答した者は回答者全体の30.1%、パワーハラスメントをしたと感じたり、したと指摘されたことがあると回答した者は11.7%でした。

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企業内でのパワハラの発生状況

 

調査実施時(平成28年)の過去3年間に、実際にパワーハラスメントに関する相談を1件以上受けたことがある企業は回答企業全体の49.8%で、実際にパワーハラスメントに該当する事案のあった企業は回答企業全体の36.3%でした。

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4.どんなパワハラがあるのか

受けたパワーハラスメントの内容

 

過去3年間に受けたパワーハラスメントの内容としては、「精神的な攻撃」が際立って多くなっています。

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類型 内容(性別、年齢)
精神的な攻撃
  • いること自体が会社に対して損害だと大声で言われた(男性、50 歳以上)
  • ミスをしたら現金に換算し支払わされる(女性、40 歳代)
  • 全員が観覧するノートに何度も個人名を出され、能力が低いと罵られた(男性、20 歳代)
過大な要求
  • 多大な業務量を強いられ、月80 時間を超える残業が継続していた(男性、20 歳代)
  • 明らかに管理者の業務であるにもかかわらず、業務命令で仕事を振ってくる(女性、40 歳代)
  • 絶対にできない仕事を、管理職ならやるべきと強制された(女性、50 歳以上)
人間関係からの
切り離し
  • 今まで参加していた会議から外された(女性、50 歳以上)
  • 職場での会話の無視や飲み会などに一人だけ誘われないなど(男性、30 歳代)
  • 他の部下には雑談や軽口をしているが、自分とは業務の話以外一切ない(男性、50 歳以上)
個の侵害
  • 出身校や家庭の事情等をしつこく聞かれ、答えないと総務に聞くと言われた(女性、40 歳代)
  • 接客態度がかたいのは彼氏がいないからだと言われた(女性、20 歳代)
  • 引越したことを皆の前で言われ、おおまかな住所まで言われた(女性、20 歳代)
過小な要求
  • 故意に簡単な仕事をずっとするように言われた(男性、30 歳代)
  • 一日中掃除しかさせられない日々があった(男性、20 歳代)
  • 入社当時に期待・希望していた事とかけ離れた事務処理ばかりさせられる(女性、50 歳以上)
身体的な攻撃
  • カッターナイフで頭部を切りつけられた(男性、20 歳代)
  • 唾を吐かれたり、物を投げつけられたり蹴られたりした(男性、20 歳代)
  • 痛いと言ったところを冗談っぽくわざとたたく(女性、40 歳代)

上司からだけではなく、「同僚のいじめ」も・・・

 

パワーハラスメントの加害者と被害者の関係は、「上司から部下へ」が圧倒的に多く、「先輩から後輩へ」、「正社員から正社員以外へ」と続いており、上位者から下位者への行為が大半を占めています。一方、単に上下関係の「職務上の地位」に限らず、さまざまな人間関係や専門知識などを背景に嫌がらせ行為が起きることもあり、実際にパワハラに該当した事案もあります。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査

・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)

・調査時期:企業調査 平成28年7月~10月

従業員調査 平成28年7月

・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業20,000社、回収数4,587社
従業員調査 全国の企業・団体に勤務する20~64歳までの男女10,000名(公務員、自営業、経営者、役員は除く)

・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施。


5.パワハラの影響

パワハラを受けたと回答した人のうち、約40.9%が「何もしなかった」と回答

 

従業員調査において、パワーハラスメントを受けた後でどのような対応をしたかを質問したところ、「何もしなかった」が 40.9%と最も多くなっています。「何もしなかった」者の属性を見ると、性別では男性が 49.5%と高く、年代別では50歳以上が47.4%と高く、従業員区分別では管理職が58.2%と最も高く、次いで男性正社員が48.4%となっています。

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パワハラによるメンタル面の影響

 

パワーハラスメントを受けたと感じたことによる心身への影響を、パワーハラスメントを受けたと感じた経験の頻度別にみると、頻度が高まるほど影響があったと回答する者の比率が高まる。(たとえば、「一度だけ経験した」と「何度も繰り返し経験した」の比率をみると、「眠れなくなった」は18.6%と36.1%、「休むことが増えた」は5.8%と13.8%、「通院したり服薬をした」8.8%と20.9%)となっている。

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パワハラによる職場への影響

 

パワハラが職場や企業に与える影響については、「職場の雰囲気が悪くなる」(93.5%)、「従業員の心の健康を害する」(91.5%)の2項目が9割を超えて高くなっています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査

・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)

・調査時期:企業調査 平成28年7月~10月

従業員調査 平成28年7月

・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業20,000社、回収数4,587社
従業員調査 全国の企業・団体に勤務する20~64歳までの男女10,000名(公務員、自営業、経営者、役員は除く)

・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施。


6.パワハラに対する企業の認識

パワハラ対策は経営上の課題として重要-82%が認識

 

企業の担当者に対して「職場のパワーハラスメントの予防・解決のための取組は経営上の課題として重要か」を質問したところ、「非常に重要である」、「重要である」を合わせると、回答企業全体の82.1%が重要と認識しています。また、従業員規模による差は見られるものの、パワーハラスメントの予防・解決のための取組の重要性に対する認識は全般的に高いことがうかがえます。

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パワーハラスメントが発生している職場の特徴

 

企業調査において、パワーハラスメントに関連する相談がある職場に共通する特徴として、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が45.8%と最も多く、「失敗が許されない/失敗への許容範囲が低い職場」(22.0%)、「残業が多い/休みが取り難い職場」(21.0%)、「正社員や正社員以外(パート、派遣社員など)など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」(19.5%)が続いています。従業員調査でも同様の傾向が示されています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査

・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)

・調査時期:企業調査 平成28年7月~10月

従業員調査 平成28年7月

・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業20,000社、回収数4,587社
従業員調査 全国の企業・団体に勤務する20~64歳までの男女10,000名(公務員、自営業、経営者、役員は除く)

・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施。


7.パワハラ対策に取り組む先進企業

パワハラ対策をしている企業割合

 

予防・解決に向けた取組をしている企業は52.2%にとどまり、特に従業員99人以下の企業においては26.0%と3割を下回っています。

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企業の取組内容

 

パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組として実施率が高いのは、「相談窓口を設置した」で取組実施企業の82.9%で実施され、「管理職向けの講演や研修」(63.4%)、「就業規則などの社内規定に盛り込む」(61.1%)が続いています。「トップの宣言」、「就業規則に盛り込む」といった対応は企業規模に関わらず実施できるものの、「講演や研修」といった対応は一定程度の従業員規模がないと実施しにくいこともあり、特に従業員99人以下の企業での実施率が低くなっています。

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効果を実感した取組

 

上記の取組のうち、効果を実感した比率が最も高いのは、「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」で、実施企業の74.2%で効果を実感しています。また、「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」(69.6%)、「アンケート等で、社内の実態把握を行った」(59.4%)、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した」(56.5%)など、管理職や一般社員に直接的に働きかける取組において効果を実感している比率が高くなる傾向が見られます。

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パワハラの予防・解決以外に得られた効果

 

パワハラの予防・解決の取組を進めた結果、パワハラの予防・解決以外に得られた効果としては、「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」が取組実施企業の43.1%で最も高く、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(35.6%)、「管理職が適切なマネジメントができるようになる」(28.2%)といった項目の比率が高くなっています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査

・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)

・調査時期:企業調査 平成28年7月~10月

従業員調査 平成28年7月

・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業20,000社、回収数4,587社
従業員調査 全国の企業・団体に勤務する20~64歳までの男女10,000名(公務員、自営業、経営者、役員は除く)

・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施。