あかるい職場応援団
厚生労働省

「パワハラって言われた! 管理職の方」言い方ひとつで変わる会話術

【第2回】「自分も相手も大切に-、“Win-Win”発想の自己主張でモノを頼む」

職場でのコミュニケーション、気持ちよくとれていますか?
必要以上に強く言い過ぎて後悔したり、言いたいことがあるのに言えずに残念な思いを抱いたり、「もう少しどうにかならないか」と思っている人は少なくありません。

前回は、“発展的”で“協調的”な相互尊重の自己主張の基本を説明しました。今回は具体的な場面-人にモノを頼む場面-のためのヒントをお届けします。

モノを頼むことは、上に、下に、時には外に対して、色々な場面で必要です。きちんと頼みごとができないとストレスがたまります。言い方を少し工夫することで相手からのYESがもらえ、朝、職場に向かう足取りが軽くなるのではないでしょうか。

強過ぎる例と弱過ぎる例で比較してみましょう。

chart00_1.gif

メールの送り方一つにも差があります。
攻撃型な人のモノを頼むメールの典型例から見てみましょう。「○月×日までに○○して下さい。」・・取りつく島がない、押しつけられた印象です。「そんなこと言っても・・」と反感を持たれることもあるでしょう。 一方、受身型な人は、「よろしければ、お手すきのときに、○○して頂ければ幸いかと存じます。」・・遠慮し過ぎでまわりくどい感じがしませんか?しなくていいのかと後回しにすれば、必須のことであったり。結果、後回しにした分、後からしわ寄せがくる。遠慮しているように見えて、実際は相手にも迷惑がかかります。

相互尊重な主張のできる人のモノの頼み方は、「△△に必要なので、○月×日までに○○して頂けますか?難しい場合は担当までご連絡をお願いします。」-仕事の場合はいつまでに何を何のためにしなければならないのかを明示してもらわないと、頼まれた相手が困惑します。言い方も、依頼形にすることで柔らかい印象になります。遠慮はしていないけれど、配慮があるので、相手が動きやすくなります。

「正しい自己主張」は「本気のWin-Win」の発想とかなり密接にリンクしています。Win-Winは認知度も高く、かなり市民権を得てきた言葉ですが、誤解をしている人も多いのではないでしょうか。

同じものを同じ数だけ持って帰ることがWin-Winとは限りません。必ず、ハッピー・ハッピーで両者がにこにこ笑って終えることを絶対だと考えていると半端な結果になることがあります。モノを頼む時には、「本気のWin-Win」を考えましょう。Winは、必ずしも相手にベストな答を渡す、何かメリットを渡す、といったプラスの要素だけを指す訳ではありません。相手のLoseを少しでも小さくする、デメリットを軽減することも含めてのWinです。 相手のWinが何か、本気で相手に興味と関心を示し、自分勝手な解釈で終わらせずに、相手に確認しながら、双方向で話しを進めることが大切です。

そのためには思い込みを取り除くことが必要です。「こんなこと頼んだら悪いんじゃないか」「迷惑じゃないか」とブレーキを踏み過ぎてもいけないし、「あいつがやるのが当たり前」「やって当然」とアクセルの踏み過ぎもよくありません。

きちんとモノを頼むための「DESI」の4ステップを使ってみましょう。

chart00_2.gif

最後の最後まで手を抜いてはいけません。相手の答に対する反応にも気を配ります。相手が「YES」と言ってくれたら、「ありがとう。助かります」と、相手に「YESと言って良かったな」と思ってもらうようにプラスひと言。もし相手が「NO」と言った場合は、こここそが頑張りどころ。NOと言われた時ほどすがすがしいクロージングで締めくくりましょう。「お時間ありがとうございます。今回は準備不足でしたが、またトライしてみます」と、必ず次につながるひと言で結びます。 これでまた、次にモノを頼む時のハードルがぐっと下がるのです。仕事は一度きりではないので、NOの場合こそ、良い印象で次につなげましょう。

chart00_3.gif

上司や後輩にきちんとモノが頼め、時にはNO も言える。お互いがきちんと伝えあえて、聞きあえれば、仕事の成果は足し算で終わらずに、掛け算の結果を生みだします・・そんな、仕事の実践力アップを目指しましょう。

著者プロフィール

pic_supportive20121001.jpg

大串 亜由美
外資系大手コンピュータ株式会社にて14年勤務後、コンサルティング会社勤務を経て、株式会社グローバリンクを創立。「国際的規模での人材活用、人材育成」をキーワードに、マネジメント、自己主張など、ビジネスコミュニケーション全般の、企業・団体研修、各種コンサルティングを手がける。