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厚生労働省

「社内でパワハラ発生! 人事担当の方」パワハラ対策7つのメニュー

ルールを決める

Point
  • 労使一体で取組を進めるために、労働協約や労使協定などでルールを明確化することが効果的です。
  • 罰則規定の適用条件や処分内容、また、相談者の不利益な取扱いの禁止などを明確に定めましょう。
  • ルールは、従業員にとって分かりやすく、できる限り具体的な内容としましょう。
  • 就業規則などにルールを盛り込む場合には、事前に労働組合や労働者の代表などの意見を聴くことが求められています。就業規則の変更の目的や意義を十分伝え、意見交換した上でルールを決めましょう。
  • 就業規則を変更した場合は、その内容の周知が義務付けられています。従業員への説明会や文書の配布なども忘れず実施しましょう。

■ ルールの種類

  • 就業規則その他の職場の服務規律等を定めた文書で、パワーハラスメント行為を行っていた者については、懲戒規定等に基づき厳正に対処する旨を定めます。このとき、パワーハラスメント防止についてより詳細な規定を定めたい場合は、就業規則に委任の根拠規定を設けて、パワーハラスメント防止規程を定めることも有効です。
  • また、職場のパワーハラスメント防止について、「労使協定」を締結し、労使で協力して取り組んでいる例もあります。

■ ルールの例

就業規則、労使協定の例を、次に掲載しますので参考にしてください。

【就業規則本文中に、パワーハラスメントの禁止規定を定め、懲戒規定と連動させる例】  

(職場のパワーハラスメントの禁止)
第○○条 職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景にした、業務の適正な範囲を超える言動により、他の労働者に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を害するようなことをしてはならない。

(懲戒の種類)
第○△条 会社は、従業員が次条のいずれかに該当する場合は、その情状に応じ、次の区分により懲戒を行う。

(略)

(懲戒の事由)
第□□条 従業員が、次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。

(略)

⑥ 第○○条に違反したとき
2.従業員が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第○△条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。

(略)

⑩ 第○○条に違反し、その情状が悪質と認められるとき

出典:「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」

【就業規則に委任規定を設けた上で、詳細を別規程に定める例】  

就業規則本体に委任の根拠規定を定め、これに基づいた別規程を定めます。この場合、別規程も就業規則に含まれます。

【就業規則】
(パワーハラスメントの禁止)
第□□条 パワーハラスメントについては、第○○条(服務規律)及び第△△条(懲戒)のほか、詳細は「パワーハラスメントの防止に関する規程」により別に定める。

パワーハラスメントの防止に関する規程

(目 的)

第1 条 この規程は、就業規則第□□条に基づき、職場におけるパワーハラスメントを防止するために従業員が順守すべき事項及び雇用管理上の措置について定める。

(定 義)

第2 条 パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

2 前項の「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に」とは、直属の上司はもちろんのこと、直属の上司以外であっても、先輩後輩関係などの人間関係により、相手に対して実質的に影響力を持つ場合のほか、キャリアや技能に差のある同僚や部下が実質的に影響力を持つ場合を含むものとする。

3 第1 項の「職場」とは、勤務部署のみならず、従業員が業務を遂行するすべての場所をいい、また、就業時間内に限らず実質的に職場の延長とみなされる就業時間外を含むものとする。

4 この規程の適用を受ける従業員には、正社員のみならず、パートタイム労働者、契約社員等名称のいかんを問わず会社に雇用されているすべての労働者及び派遣労働者を含むものとする。

(禁止行為)

第3 条 前条第1 項の規定に該当する行為を禁止する。

2 上司は、部下である社員がパワーハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する行為をしてはならない。

(懲 戒)

第4 条 前条に定める禁止行為に該当する事実が認められた場合は、就業規則第○○条及び第△△条に基づき懲戒処分の対象とする。

(相談及び苦情への対応)

第5 条 パワーハラスメントに関する相談及び苦情の相談窓口は本社及び各事業場で設けることとし、その責任者は人事部長とする。人事部長は、窓口担当者の名前を人事異動等の変更の都度、周知するとともに、担当者に対する対応マニュアルの作成及び対応に必要な研修を行うものとする。

2 パワーハラスメントの被害者に限らず、すべての従業員はパワーハラスメントに関する相談及び苦情を窓口担当者に申し出ることができる。

3 相談窓口担当者は、前項の申し出を受けたときは、対応マニュアルに沿い、相談者からの事実確認の後、本社においては人事部長へ、各事業場においては所属長へ報告する。人事部長又は所属長は、報告に基づき、相談者のプライバシーに配慮した上で、必要に応じて行為者、被害者、上司並びに他の従業員等に事実関係を聴取する。

4 前項の聴取を求められた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。

5 所属長は、対応マニュアルに基づき人事部長に事実関係を報告し、人事部長は、問題解決のための措置として、前条による懲戒のほか、行為者の異動等被害者の労働条件及び就業環境を改善するために必要な措置を講じる。

6 相談及び苦情への対応に当たっては、関係者のプライバシーは保護されるとともに、相談をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いは行わない。

(再発防止の義務)

第6 条 人事部長は、パワーハラスメントが生じたときは、職場におけるパワーハラスメントがあってはならない旨の方針及びその行為者については厳正に対処する旨の方針について、再度周知徹底を図るとともに、事案発生の原因の分析、研修の実施等、適切な再発防止策を講じなければならない。


附則 平成○年○月○日より実施

出典:「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」

【労使協約等の労使協定の例】  

企業と労働組合(労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者)との間で、パワーハラスメントの防止に関する協定を締結します。労使で協力して取り組むことは、職場のパワーハラスメントを防止する上で大きな効果が期待できます。

パワーハラスメント防止に関する協定書

株式会社○○(以下「会社」という。)と○○労働組合(以下「組合」という。)は、パワーハラスメントの防止に関し、下記のとおり協定する。

(目的)

第1条 会社及び組合は、パワーハラスメントの問題を認識し、労使協力してその行為を防止し、パワーハラスメントのない快適な職場環境の実現に努力する。

(定義)

第2条 この協定において、職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいい、会社及び組合は、その防止に努めるものとする。

(パワーハラスメントの禁止)

第3条 従業員は、いかなる場合においても、以下に掲げる事項に該当するパワーハラスメント行為を行ってはならない。

① 暴行・傷害等身体的な攻撃を行うこと

② 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言等精神的な攻撃を行うこと

③ 隔離・仲間外し・無視等人間関係からの切り離しを行うこと

④ 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害等を行うこと

⑤ 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

⑥ 私的なことに過度に立ち入ること

⑦ その他前条に該当する行動を行うこと

(方針の明確化及びその周知・啓発)

第4条 会社は、職場におけるパワーハラスメントに関する方針を明確にし、全従業員に対してその周知・啓発を行う。

(相談・苦情の対応)

第5条 会社は、パワーハラスメントを受けた従業員からの相談・苦情に対応する相談窓口を社内又は社外に設置し、相談窓口の設置について従業員に周知を図る。また、会社は、相談・苦情に対し、その内容や状況に応じ迅速かつ適切に対応する。

3.本マニュアルを活用した取組の実施 3.2.ルールを決める

(相談・苦情の申立て)

第6条 パワーハラスメントを受けていると思う者、又はその発生のおそれがあると思う者は、相談窓口、苦情処理委員会、相談ホットラインを利用して書面又は口頭で申し出ることができる。また、申し出は被害を受けている者だけではなく、他の者がその者に代わって申し出ることもできる。

(苦情の処理)

第7条 苦情の申立てを受けたときは、関係者から事情聴取を行うなど適切に調査を行い、迅速に問題の解決に努めなければならない。

苦情処理に当たっては、当事者双方のプライベートに配慮し、原則として非公開で行う。

(不利益取扱いの禁止)

第8条 会社は、職場におけるパワーハラスメントに関して相談をし、又は苦情を申し出たこと等を理由として、その者が不利益を被るような対応をしてはならない。


△△年△△月△△日
○○株式会社
代表取締役社長 ○○○○
○○労働組合
中央執行委員長 ○○○○

出典:「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」

就業規則においてどこまで細かく規定するべきでしょうか。

 

社内ルールを定めるには、就業規則に規定する方法だけでなく、就業規則とは別にハラスメントの防止に関する規程などにおいて定める方法などがあります。規定する内容としては、パワーハラスメントの定義、行為の禁止、懲戒、相談・苦情への対応、などがあげられます。そのため、セクシュアルハラスメントなど既存の自社の服務規律に関する規程の内容を踏まえて、パワーハラスメントについての規程も盛り込むとよいでしょう。

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