あかるい職場応援団
厚生労働省

パワハラ基本情報データで見るパワハラ

職場のパワーハラスメントに関する各種調査等をまとめました。各調査の数字を見ていくことで、現在の職場のパワーハラスメントの動向が見えて来るのではないでしょうか。

1.増加するパワハラ

都道府県労働局等への相談件数

 

都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は年々増加し、平成24年度には相談内容の中でトップとなり、引き続き増加傾向にあります。

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精神障害の労災補償状況

 

職場でのひどい嫌がらせ、いじめ、暴行や職場内のトラブルにより、うつ病などの精神障害を発病し、労災補償を受けるケースがあります。また、上下関係対人関係による件数は年々増加しています。

  22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
精神障害の労災補償の
支援決定件数全体

308件

325件

475件

436件

497件

  (ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた

39件

40件

55件

55件

69件

上司とのトラブルがあった

17件

16件

35件

17件

21件

同僚とのトラブルがあった

0件

2件

2件

3件

2件

部下とのトラブルがあった

1件

2件

4件

3件

0件

出典情報

■個別労働紛争解決制度実施状況
・発表者:厚生労働省
・集計対象:平成16年度から平成26年度分を集計。

■脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況
・発表者:厚生労働省
・集計対象:平成22年度から平成26年度分を集計。


2.パワハラはどの程度発生しているのか

パワーハラスメントについての経験の有無

 

調査実施時(平成24年)の過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した者は回答者全体の25.3%、パワーハラスメントを見たり、相談を受けたことがあると回答した者は回答者全体の28.2%、パワーハラスメントをしたと感じたり、したと指摘されたことがあると回答した者は7.3%でした。

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企業内でのパワハラの発生状況

 

調査実施時(平成24年)の過去3年間に、実際にパワーハラスメントに関する相談を1件以上受けたことがある企業は回答企業全体の45.2%で、実際にパワーハラスメントに該当する事案のあった企業は回答企業全体の32.0%でした。

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3.どんなパワハラがあるのか

受けたパワーハラスメントの内容

 

過去3年間に受けたパワーハラスメントの内容としては、「精神的な攻撃」が際立って多くなっています。

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類型 内容(性別、年齢)
精神的な攻撃
  • 皆の前で大声で叱責。物をなげつけられる。ミスを皆の前で大声で言われる(女性、30歳代)
  • 人格を否定されるようなことを言われる。お前が辞めれば、改善効果が300万出るなど会議上で言われた。(男性、20歳代)
  • 同僚の前で無能扱いする言葉を受けた。(男性、50歳以上)
過大な要求
  • 終業間際に過大な仕事を毎回押し付ける。(女性、40歳代)
  • 一人では無理だとわかっている仕事を一人でやらせる。(男性、20歳代)
  • 休日出勤しても終わらない業務の強要。(男性、30歳代)
人間関係からの
切り離し
  • 挨拶をしても無視され、会話をしてくれなくなった。(女性、30歳代)
  • 報告した業務への返答がない。部署の食事会に誘われない。(女性、30歳代)
  • 他の人に「私の手伝いをするな」と言われた。(男性、50歳以上)
個の侵害
  • プライベートな事を聞いてきたり、相手は既婚者であるにも関わらず独身の私にしつこく交際を迫った(女性、20歳代)
  • 交際相手の有無について聞かれ、過度に結婚を推奨された。(女性、30歳代)
  • 個人の宗教を、皆の前で言われ、否定、悪口を言われた。(女性、50歳以上)
過小な要求
  • 従業員全員に聞こえるように程度の低い仕事を名指しで命じられた。(女性、20歳代)
  • 営業なのに買い物、倉庫整理などを必要以上に強要される。(男性、40歳代)
  • 草むしり(男性、50歳以上)
身体的な攻撃
  • 足でけられる(女性、50歳以上)
  • 胸ぐらを掴む、髪を引っ張る、火の着いたタバコを投げる(男性、40歳代)
  • 頭をこずかれた(男性、50歳以上)

上司からだけではなく、「同僚のいじめ」も・・・

 

パワーハラスメントの加害者と被害者の関係は、「上司から部下へ」が圧倒的に多く、「先輩から後輩へ」、「正社員から正社員以外へ」と続いており、上位者から下位者への行為が大半を占めています。一方、単に上下関係の「職務上の地位」に限らず、さまざまな人間関係や専門知識などを背景に嫌がらせ行為が起きることもあり、実際にパワハラに該当した事案もあります。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査
・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)
・調査時期:企業調査 平成24年7月~9月 従業員調査 平成24年7月
・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業17,000社、回収数4,580社 従業員調査
 全国の企業・団体にお勤めの20~64歳までの男女(公務員、自営業、経営者、役員は除く)
・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施(ただし、企業調査では企業としてパワーハラスメントの概念を独自に定義している場合はその定義に基づいて回答)。

■パワーハラスメントの実態に関する調査研究
・調査主体:中央労働災害防止協会
・調査時期:平成17年1月
・調査対象:東証一部企業より無作為に1000社を抽出
・調査条件等:本調査では「パワーハラスメント」を「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」と定義して実施。


4.パワハラの影響

パワハラを受けたと回答した人のうち、約47%が「何もしなかった」と回答

 

従業員調査において、パワーハラスメントを受けた後でどのような対応をしたかを質問したところ、「何もしなかった」が 46.7%と最も多くなっています。「何もしなかった」者の属性を見ると、性別では男性が 53.5%と高く、年代別では 40 才代(50.0%)、50~64 才(49.0%)が、「性・職種別」では管理職(60.0%)、「男性正社員」(52.5%)が高くなっています。

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パワハラによるメンタル面の影響

 

「パワハラを受けた社員のうち、かなりのものに生じていると思われる」と「パワハラを受けた社員のうち、ある程度のものに生じていると思われる」が合計で82%超と、多くの企業でメンタル面で問題が生じていると認識していることがわかります。

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パワハラをきっかけにした自己都合退職

 

「ある程度いると思われる」が29%となっていますが、「ほとんどいないと思われる」が51%超となっており、各職場によって異なることがわかります。

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パワハラによる職場への影響

 

パワハラが職場や企業に与える影響については、「職場の雰囲気が悪くなる」(97.1%)、「従業員の心の健康を害する」(95.5%)の2項目が9割を超えて高くなっています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査
・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)
・調査時期:企業調査 平成24年7月~9月 従業員調査 平成24年7月
・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業17,000社、回収数4,580社 従業員調査
 全国の企業・団体にお勤めの20~64歳までの男女(公務員、自営業、経営者、役員は除く)
・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施(ただし、企業調査では企業としてパワーハラスメントの概念を独自に定義している場合はその定義に基づいて回答)。

■パワーハラスメントの実態に関する調査研究
・調査主体:中央労働災害防止協会
・調査時期:平成17年1月
・調査対象:東証一部企業より無作為に1000社を抽出
・調査条件等:本調査では「パワーハラスメント」を「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」と定義して実施。


5.パワハラに対する企業の認識

パワハラ対策は経営上の課題として重要-80%が認識

 

企業の担当者に対して「職場のパワーハラスメントの予防・解決のための取組は経営上の課題として重要か」を質問したところ、「非常に重要である」、「重要である」を合わせると、回答企業全体の80.8%が重要と認識しています。また、従業員規模による差は見られるものの、パワーハラスメントの予防・解決のための取組の重要性に対する認識は全般的に高いことがうかがえます。

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パワーハラスメントが発生している職場の特徴

 

企業調査において、パワーハラスメントに関連する相談がある職場に共通する特徴として、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が51.1%と最も多く、「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」(21.9%)、「残業が多い/休みが取り難い」(19.9%)、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」(19.8%)が続いています。従業員調査でも同様の傾向が示されています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査
・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)
・調査時期:企業調査 平成24年7月~9月 従業員調査 平成24年7月
・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業17,000社、回収数4,580社 従業員調査
 全国の企業・団体にお勤めの20~64歳までの男女(公務員、自営業、経営者、役員は除く)
・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施(ただし、企業調査では企業としてパワーハラスメントの概念を独自に定義している場合はその定義に基づいて回答)。

■パワーハラスメントの実態に関する調査研究
・調査主体:中央労働災害防止協会
・調査時期:平成17年1月
・調査対象:東証一部企業より無作為に1000社を抽出
・調査条件等:本調査では「パワーハラスメント」を「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」と定義して実施。


6.パワハラ対策に取り組む先進企業

パワハラ対策をしている企業割合

 

予防・解決に向けた取組をしている企業は45.4%にとどまり、特に従業員99人以下の企業においては18.2%と2割を下回っています。

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企業の取組内容

 

パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組として実施率が高いのは、「管理職向けの講演や研修」で取組実施企業の64.0%で実施され、「就業規則などの社内規定に盛り込む」(57.1%)が続いています。実施している取組の効果が実感できるかという点については「講演や研修」など直接従業員に働きかける取組の効果の実感が高い一方で、「就業規則に盛り込む」といった事項では相対的に低くなる傾向が見られます。「就業規則に盛り込む」といった対応は企業規模に関わらず実施できるものの、「講演や研修」といった対応は一定程度の従業員規模がないと実施しにくいこともあり、特に従業員99人以下の企業での実施率が低くなっています。

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相談窓口の設置状況

 

従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付けるための相談窓口を設置している企業は全体の73.4%ありますが、従業員1,000人以上の企業では96.6%とほとんどの企業で相談窓口を設置しているのに対して、従業員99人以下の企業では37.1%と低い水準にとどまっています。

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相談の多いテーマ

 

社内に設置した相談窓口で相談の多いテーマとして、パワーハラスメントはメンタルヘルスの不調に次いで多くなっています。

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効果を実感した取組

 

上記の取組のうち、効果を実感した比率が最も高いのは、取組実施率でも最も高かった「管理職を対象にパワハラについての講演や研修会を実施した」で、実施企業の77.3%で効果を実感しています。また、「一般社員を対象にパワハラについての講演や研修会を実施した」(70.6%)、「アンケート等で、社内の実態把握を行った」(62.1%)、「職場におけるコミュニケーション活性化等に関する研修・講習等を実施した」(61.2%)など、管理職や一般社員に直接的に働きかける取組において効果を実感している比率が高くなる傾向が見られます。

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パワハラの予防・解決以外に得られた効果

 

パワハラの予防・解決の取組を進めた結果、パワハラの予防・解決以外に得られた効果としては、「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」が取組実施企業の45.7%で最も高く、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(32.6%)、「管理職が適切なマネジメントができるようになる」(29.8%)といった項目の比率が高くなっています。

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出典情報

■職場のパワーハラスメントに関する実態調査
・調査主体:厚生労働省(委託事業として東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が実施)
・調査時期:企業調査 平成24年7月~9月 従業員調査 平成24年7月
・調査対象:企業調査 全国の従業員(常勤社員)30人以上の企業17,000社、回収数4,580社 従業員調査
 全国の企業・団体にお勤めの20~64歳までの男女(公務員、自営業、経営者、役員は除く)
・調査条件等:本調査では、職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」として実施(ただし、企業調査では企業としてパワーハラスメントの概念を独自に定義している場合はその定義に基づいて回答)。